文京区小石川、春日駅・後楽園近くの形成外科・皮膚科。女性医師が、こどもから大人まで、皮膚のトラブルに幅広く対応いたします。

陥入爪(かんにゅうそう)

爪が周囲の軟部組織(いわゆる「肉」)に食い込んだ状態を、陥入爪と言います。

陥入爪(かんにゅうそう)

食い込んだ爪で傷がつくと、痛みや炎症を生じます。痛みを和らげようとして自分で爪を切ってもうまく切れず、ギザギザした爪の切れ端がかえって周囲の組織を刺激し、腫れが悪化することも珍しくありません。

初期の陥入爪であれば、爪が食い込んだ状態を解除することで速やかに炎症は収まります。しかし、炎症が長引いたり、慢性化したりすると、周囲が瘢痕化して柔軟性を失い、傷がつきやすく、治りも悪くなります。

爪が横方向に巻いた「巻き爪変形」と、陥入爪とは別の状態を指しますが、両方が同じ指に生じている場合も多く、陥入爪の治療とともに巻き爪の矯正が必要となることもあります。

陥入爪(かんにゅうそう)陥入爪に巻き爪変形が合併している状態

↑陥入爪に巻き爪変形が合併している状態

巻き爪の矯正についてはこちら

手術以外の治療法

テーピング

爪の周囲の皮膚をテープで引っ張ることで、爪の食い込みを軽減させる方法です。炎症の初期や、発症前の予防に実施するのが効果的です。処置に伴う痛みはありませんが、滲出や汗などで蒸れやすい皮膚だとテープが剝がれやすく、効果を得られにくい傾向があります。

アルコール綿パッキング

食い込んだ爪の下に、短冊状に切ったアルコール綿を挿入することで、爪を持ち上げて食い込みを軽減します。処置後はしばらくジンジンとした痛みが残りますが、炎症が軽快するのに伴い不快感は消えていきます。テーピングと異なり、滲出のある場合でも効果を発揮できる方法です。

手術による治療法

爪甲楔状切除法

炎症の原因となっている食い込んだ爪の端を斜めに切除します。これにより周囲組織の炎症が消退し、指の痛みや腫れが改善します。手術によって爪の横幅が狭くなることもありません。

ただし、術後の爪は「極度の深爪」と同じ状態です。爪が伸びてくる際に靴などで圧迫されると、再び爪が周囲の皮膚に食い込んで、陥入爪が再発してしまうこともあります。つま先への圧迫が強い靴を避ける、上で述べたテーピング法を実施するなどして、爪が伸びやすいような環境を整える必要があります。

フェノール法

陥入爪を繰り返す患者さんの中には、明らかに爪の横幅が広く、伸びてきた爪が食い込みやすい形状のかたがいらっしゃいます。フェノール法は、食い込む部分を抜爪し、根元を薬品で処理して、その部分の爪が再生しないようにする手術です。処置した分、爪の横幅は狭くなります。爪根部の除去や、薬品による焼灼が不十分だと爪が再生してしまうこともあります。

手術にはいずれも局所麻酔が必要です。痛みの強い部分ではなく、比較的痛覚の鈍い指の根元に注射を行います。麻酔をしっかり効かせることで、手術中の痛みや不快感はほとんどありません。

手術後の痛みも軽く、多くの患者さんは普通に歩いて帰宅することが可能ですが、患部は炎症のある状態です。術後は長時間の歩行を避け、足を高くして休みましょう。むくみや炎症が緩和され、傷の治りにも効果的です。

診療時間
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手島 玲子 院長|てしまクリニック 形成外科・皮膚科(春日駅・皮膚科)【文京区ドクターズ】

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