首のイボ(アクロコルドン)
年齢とともに、首やわきの下に小さなイボが出来て、だんだんと数が増えてくることがあります。襟のあいた洋服を着た時に見えたり、タートルネックを着るとちくちくしたり、ネックレスが引っ掛かったりして気になる、という方も多くいらっしゃいます。
首のイボは、どうしてできるの?
一般的にイボと呼ばれる状態には、ウイルス感染によるもの(尋常性疣贅や伝染性軟属腫)と非感染性のものがあります。首にたくさんできてくるイボの多くは非感染性で、大部分は次に説明するアクロコルドンとスキンタッグです。
アクロコルドンとスキンタッグは中高年以降に目立ってきますが、20歳代から徐々に出来始めます。これらのイボが生じる原因はわかりませんが、首以外にもまぶたやわきの下、胸など皮膚が薄くて弱い部分に見られる傾向があります。皮膚の良性腫瘍の一種で、特に心配な病気ではありませんが、衣類でこすれたり、ねじれたりして炎症を生じることがあります。
首のイボの種類
首によくみられる代表的なイボは次の三種類です。見た目や大きさで区別していますが、基本的には同じようなものなので、これらは混在して見られます。イボの種類や大きさによって治療法は異なります。
どのように治療するの?
小型のもの(アクロクルドンとスキンタッグ)
- 液体窒素を用いた冷凍療法(保険治療)
-200℃近い超低温の液体窒素で冷却した特殊なピンセットでイボを摘むようにして凍結します。凍結した部分は1~2週間後、かさぶたになって自然に脱落します。スキンタッグの治療に適します。 - 炭酸ガスレーザー(自費治療)
盛り上がった組織を瞬時に蒸散させます。アクロコルドンの治療に適します。 - ルビーレーザー(自費治療)
茶色みが強く細かいアクロコルドンの治療に適します。炭酸ガスレーザーに比べ痛みは軽度です。
大型のもの(軟性線維腫)
- 手術(保険治療)
局所麻酔下で行う簡単な手術です。イボの根元をメスで切り取って、傷を縫い合わせます。 - 炭酸ガスレーザー(自費治療)
局所麻酔下に、イボを根元で焼き切ります。1cmを超える大きなイボの場合には手術の方が適しています。
小さなイボで数が少ない場合は、当日に液体窒素での処置が可能ですが、数が多い場合は日にちを分けて1~2週おきに処置します。また、手術や炭酸ガスレーザーでの治療は、後日予約で行います。