帯状疱疹・ヘルペス
帯状疱疹
子供のころにかかった水ぼうそうのウイルスが神経節に潜み、再度活性化して発症します。疲労やストレス、免疫抑制剤の投与などによって引き起こされる免疫力の低下に伴い、症状が出ることが多いようです。
皮膚の症状は特徴的で、神経支配に一致した部位で帯状に小水疱が集まりますが、発症初期は水疱が点在するのみで、診断が難しい場合もあります。皮膚の症状に先だって、ピリピリとした違和感や、痛みを訴える患者さんもしばしば見られます。多くの場合皮疹や疼痛は体の片側のみに出現します。
治療法は抗ウイルス薬の内服や点滴が原則です。痛みのコントロールも重要で、消炎鎮痛剤や神経の回復を促す薬の投与も行いますが、痛みが長引く場合もあり、注意が必要です(帯状疱疹後神経痛)。
また、小児の水ぼうそうワクチンが定期接種化された影響で、帯状疱疹を取り巻く環境にも変化が生じています。
詳しくは、ブログのこちらの記事をご覧ください。
【水ぼうそうと帯状疱疹の難しい関係 | もものマークのほけんしつ】
https://teshima-hifu-keisei.com/blog/chickenpox_herpeszoster/
ヘルペス(単純疱疹)
口腔内や唇とその周囲、まぶた、性器・肛門部などに小さい水疱の集まりが生じる疾患です。単純ヘルペスウイルスの感染が原因です。成人のヘルペスで最も多いのが、唇に発症する口唇ヘルペスです。
かゆみや違和感などの前駆症状(「ムズムズする」と表現する患者さんが多いようです)が現れ、数日内に赤みと腫れが生じ、水疱が発生します。症状に応じて、抗ウイルス剤の塗り薬や飲み薬を処方します。
近年、ヘルペスの前駆症状がはっきりと認識できる患者さんに対しては、事前に抗ウイルス剤の飲み薬を処方しておき、前駆症状を感じたら速やかに自己判断で内服を開始する治療法が保険適用となりました。
これを “PIT(Patient Initiated Therapy)” と呼びます。
ヘルペスでいったん水疱が発生すると、皮膚の状態が治るまで数日以上要すことになります。PITが適切に行われると、水疱に至らずに済んだり、発症しても軽度で治癒したりすることが期待できます。 PIT処方を行う際には、医師が適応を判断する必要があるため、希望される場合は通院時に医師に相談してください。
こちらのブログ記事もご覧ください。
⇒https://ameblo.jp/momo-clinic/entry-12808198514.html