文京区小石川、春日駅・後楽園近くの形成外科・皮膚科。女性医師が、こどもから大人まで、皮膚のトラブルに幅広く対応いたします。

多汗症

汗は誰でもかくものですが、汗の量が特に多く、日常生活において支障をきたす状態を「多汗症」と呼びます。

多汗症は、汗の量で診断されるわけではなく、汗が多くて困っているか、自覚症状があるか、という患者さんの主観で多汗症と判断されます。人により症状の強い場所は異なり、ワキや手のひら、足裏など局所に汗が出る方、全身に汗をかく方など様々です。

多汗症の方は普段から汗の量が多い傾向にありますが、緊張した時には特に汗の量が増えます。緊張することで交感神経の働きが強くなり、その影響で汗が出るのです。

緊張していない時でも、交感神経が活発になれば汗が出ます。朝、目覚めた途端に多汗症症状が出る方もいらっしゃいます。多汗症の方が必ずしも人より緊張しやすかったり神経質だったりする訳ではありません。

汗を作る腺にはエクリン腺とアポクリン腺の2種類があります。

多汗症の原因となるエクリン腺は全身に存在していて、においの無いさらさらした汗を分泌します。多汗症はエクリン腺からの汗が多い状態です。

エクリン腺は皮膚の非常に浅い部分に分布しており、手術でエクリン腺を完全に取り出すことは非常に困難です。そのため、手術はわきが(主にアポクリン腺が原因)には有効ですが、多汗症は手術を受けたけれどあまり良くならなかった、という方も多いのです。

汗をかく部位による多汗症の分類

わき多汗症

寒い季節でもわきに汗が多く、汗がしたたることもあります。洋服に汗ジミができ、着る洋服に悩む方も多くみられます。わき多汗症とわきがは別の疾患ですが、わき多汗症の治療をすると、わきがの症状も軽くなる方が多いようです。

手掌多汗症

てのひらに汗が多く、特に緊張すると症状が強くなります。手掌多汗症は人と握手が出来ない、ノートや書類が濡れる、ハンカチが手放せないなど、悩みが深刻になることがあります。

足蹠多汗症

足蹠多汗症は足裏に汗が多く、サンダルなどが滑って履けない、靴を脱いで歩くと足跡がつくのが気になるなどの悩みがあります。

また、足蹠多汗症の方は、足の角質がふやけて二次感染を起こし、足の臭いが強い傾向があります(足臭汗症)。多汗症の治療をすると足の臭いも軽くなります。

汗が多くなる状況による多汗症の分類

緊張性多汗症

緊張性多汗症緊張すると汗の量が増えます。ほとんどの多汗症の方は緊張性多汗症にあてはまります。

味覚性発汗

味覚性発汗誰でも酸味、辛味の強いものを食べると多少汗が出ますが、味覚刺激による発汗量が特に多い状態が味覚性多汗症です。

当院で行っている多汗症の治療方法

1. ボトックス治療

ボトックス治療の効果

多汗症ボトックス治療は、わきの汗を注射で抑える治療です。「汗が気になるけど手術には抵抗がある」という方には最適です。

ボトックスが効いている間は、運動や緊張、高温など汗が出やすい状況下でも汗がピタッと抑えられますから、汗のことを気にする必要がなくなります。汗で困っている方にとっては生活が変わる程の大きな変化です。汗を気にして洋服を選ぶ必要もなくなります。効果は約6~12ヶ月持続します。

ワキの多汗症をボトックスで治療すると、気になるニオイも改善します。

ボトックス治療の原理

神経から汗腺に向けて神経伝達物質(アセチルコリン)が放出されると、汗腺が刺激を受けて汗が出ます。緊張したり運動したり辛い物を食べるなどして交感神経の働きが活発になると、アセチルコリンの放出が増えて汗が増えます。

ボトックスはアセチルコリンの放出を抑える作用があり、ボトックスを注射した周辺の汗腺から汗が出なくなるため、多汗症の症状が改善されます。

2. 医療用制汗剤パースピレックス(塩化アルミニウム製剤)

他のデオドラント剤と比べたPerspirexの技術革新とは...

Perspirex(制汗剤)Perspirexは制汗剤であり、市販のデオドラント剤やほとんどの制汗剤とは作用が異なります。 ご存じのとおり、汗は完全に無臭です。 時に私たちが感じる臭いは、皮膚表面に存在する細菌が汗の成分を分解することによって生じます。 デオドラント剤は汗を止めるものではなく、そのほとんどは臭いを隠すだけの香料を含有し、皮膚の常在菌が発する臭いを一時的に中和する作用を有します。 制汗剤は汗腺の開口部に一時的な栓を形成することで汗腺での汗の産生を減少または中断させます。この栓は数日後に自然に消退しますが、効果は長く続きます。

Perspirexの作用機序

Perspirexの作用機序

  1. Perspirexはアルコールベースの塩化および乳酸アルミニウム溶液であるため、非常に効果的に作用します。
  2. 主成分である塩化アルミニウムは汗腺内の水と反応し、
  3. 腺内深部に角栓を形成します。この栓が汗腺を密閉し、汗の産生を一時的に中断させます。 しかし、角栓は永続的な栓ではありません。
  4. 皮膚表面の死んだ細胞の剥離に伴って、角栓は排出され、汗腺は再活性化します。

この過程は2~7日周期で生じるため、Perspirexの使用頻度は週に2~3回のみとなります。

主要成分およびその作用

Perspirexはエタノール、塩化アルミニウム(主成分)、乳酸アルミニウムおよびその他の化粧品成分を含有します。 本品の効果における各成分の役割は下記のとおりです。

  • エタノール
    水を含まないエタノール製剤です。このため、形成された角栓を汗腺内の「より深部」まで運び、維持することができます。市販されている他の制汗剤のほとんどは水を含有しており、そのために塩化アルミニウムと水の反応が誘発されて塩酸が生成され、効果が低減します。
  • 塩化アルミニウム
    汗に含まれる水と反応して死亡した角化細胞と複合体を形成し、汗腺の「栓」となって汗腺を一時的に塞ぎ、汗の産生を中断させます。
  • 乳酸アルミニウム
    刺激を予防し、敏感な皮膚領域の不快感を最小限に抑え、制汗作用を高める緩衝剤として作用します。

最善の結果を得る(例:そう痒を抑制する)ために推奨される本品の使用方法

  1. 夜間は汗腺の活動が低下するため、夜の就寝前にPerspirexを塗布します。望まれる効果が得られるまで(通常1週間以内)Perspirexを毎晩使用します。 敏感肌の場合は、1日おきに2週間塗布します。
  2. 完全に乾燥した損傷のない皮膚に使用し、使用後はPerspirex が完全に乾いてから衣類を着用します。必要な場合は、Perspirexを使用する前に扇風機またはヘアードライアーで皮膚を乾かします。
  3. 翌朝、石鹸と水で洗い流します。塗り直しはしないでください。
  4. 週2~3回、または必要な頻度でPerspirexを使用し、汗と臭いのコントロールを維持します。
  5. 必ず、完全に乾燥した損傷のない皮膚に使用してください。
  6. 脱毛後48時間は使用しないでください。

Perspirexの特長

Perspirexの作用は長時間持続性であり、1回の使用で汗と臭いを3~5日間予防します。

国際的に認められている制汗剤分類(米国FDA)では、製品を「制汗剤」として分類するためには、20%の発汗抑制が得られなければなりません。30%の発汗抑制が得られる場合、「Extra effective(極めて効果あり)」として分類することが可能となります。特許取得済のの処方では、使用ごとに%%の発汗抑制が時間以上持続することが実証されています。試験は、Riemann & Co.社から独立した立場にある国際的に認知されている試験施設が実施しました。他の制汗剤のほとんどでは同様の抑制効果は得られず、効果持続時間は数時間から最大でも24時間となっています。

  • 優れた快適性
    Perspirexは、他の塩化アルミニウムベースの制汗剤で一般的に認められる刺激を最小限に抑えるために改善された処方を使用しています。Perspirexは皮膚のかぶれのリスクを軽減する乳酸アルミニウムを含有しています。乳酸成分が不快感をもたらす酸を無害な乳酸に変換する「緩衝剤」として作用します。Perspirexの処方は特許取得済であり、他の制汗剤にはないPerspirex独自の「緩衝」システムにより刺激を抑えることができる唯一の市販制汗剤です。
  • 使いやすさ
    Perspirexは夜に使用し、就寝中に作用します。速乾性で、落ちにくくなっています。
  • Perspirexの使用方法
    他の制汗剤やデオドラント製品とは異なり、Perspirexは1回の使用で3~5日間効果が持続します。日中の塗り直しの必要がなく、生活スタイルに支障をきたすこともありません。
  • 無香料で色移りしない処方
    Perspirexには香料が添加されていないため、アレルギーのリスクが最小限に抑えられています。また、衣類に色移りせず、白い筋が残ることもありません。
Perspirexと一般的なデオドラント剤の比較
  Perspirex 一般的な
デオドラント剤
1回の使用で3~5日間発汗および臭いを抑制
週に2~3回の使用
1本で3ヵ月以上使用できる
無香料
衣類に色移りしない
日常生活を送りながら制汗できる

 

  • Perspirexの適応対象
    Perspirexは、男女を問わず、就労者およびアクティブな生活を送る人、また、過剰な発汗および臭いによる深刻な問題を抱える人を適応対象としています。

3. 内服薬

多汗症の症状は、神経から汗腺にアセチルコリンという伝達物質が大量に放出されて悪化します。アセチルコリンの放出を抑えれば汗が減少し、多汗症の症状が緩和されます。

アセチルコリンを抑える抗コリン剤のプロ・バンサインが多汗症治療の認可を受けています。口渇、便秘、排尿障害などの副作用が現れることがあるので、使い方は医師によく相談してください。

また、漢方薬にも多汗症に効果的なものがあります。患者さんの体質に合えば、大きな効果を発揮する場合もありますので、興味のある方はご相談ください。

自費診療料金

自費診療 料金表