帯状疱疹は、過去にかかった水ぼうそうのウイルスの再活性化で発症します。
以前は幼稚園や小学校等の集団生活が始まる年齢で流行することの多かった水ぼうそうですが、最近は保育園などで集団生活の開始が低年齢化している影響で、乳幼児期に罹患する子供が増えています。
そのため「帯状疱疹と言えば、水ぼうそうの免疫が弱くなった高齢者のかかる病気」という印象だったのが、20代や30代の患者さんもしばしばいらっしゃいます。まれに小学生の帯状疱疹、なんてことも、うちのクリニックでは2年にひとりくらい見かけます。
ちなみに、帯状疱疹の患者さんにわたしが必ずお尋ねする質問が
「小さいお子さんと接する機会はありますか?」
です。
帯状疱疹の水疱には、水ぼうそうのウイルスがわんさかいる訳で、大人の帯状疱疹から子供が水ぼうそうを発症する、なんてことも珍しくありません。
【子守をしていた祖母の帯状疱疹から、孫が水ぼうそう発症】というケースを何例か見ておりますし、帯状疱疹を発症したパパさんママさんには
「お風呂担当からは外れてください」
とお願いしています。
痛みで始まることも多い帯状疱疹
帯状疱疹では、発疹の出現に先立って、痛みが出ることも多いです。
「やけにひどい肩こりが片側だけにあって整体に行ったら押され過ぎて、赤いブツブツになりました。」
とか
「腰の痛みと片足のしびれがあって整形外科でしっぷ出してもらったら、かぶれたんです。」
という理由でうちを受診した人が、帯状疱疹だった、ということもあります。この場合の発疹、どちらの症状も帯状疱疹のそれであり、整体やしっぷは無罪です。
帯状疱疹後にひどい神経痛がいつまでも残るのはおおむね高齢者のケースなので、40代くらいまでの人はそこまで後遺症を懸念する必要はないと思いますが
- 「片側だけに(←ここポイント)」出てきた痛み。(筋肉痛、表面のピリピリ感などパターン色々)
- ふんわりとした赤みを伴う発疹。一部水疱形成。それが「片側だけに」出現。
にピンときたら皮膚科受診、は覚えておいて損はありません。
帯状疱疹は身体のSOS!
帯状疱疹が出ているときは、からだが「ちょっと今なんかかなりストレスフルなんすけど!!」と悲鳴を上げているサイン。少しでも早く床に就いたり、冷静になってみたら重要でない予定はキャンセルしたりと、自分の健康のために気を使ってあげるのが吉です。
また、帯状疱疹を取り巻く環境は、ここ数年で大きく変化しました。