2018年の冬は、本当にいきなりやってきました。なので、手荒れの患者さんも、例年に比べると受診が遅めだった印象です。

「毎年この時期不調になる」
という手荒れ歴の長いベテランの方もいらっしゃいますが

「こんな風になったことない!」
心当たりもありません!!」
と困った様子で受診する方も少なくありません。

そんな『今まで経験したことの無い手荒れ』を訴える患者さんが、ベビーカーや抱っこで可愛いおチビちゃんを連れていたりすると、私は必ずこう聞いてみます。

「赤ちゃん、可愛いですね。今年生まれたんですか?おひとり目??」

患者さんは
『患者はこの子じゃなくてわたしなんだけど?』
と言いたげな表情を浮かべつつも、多くのママさんが嬉しそうに

「はい、いま○ヶ月です。ひとり目です。」
と、返してくれます。

「そうですか、やっぱり。じゃあ、赤ちゃんがおうちに来て最初の冬なんですね。きっとね、その手荒れ、お母さんが赤ちゃんをしっかりお世話している証拠ですよ。

「え!でも、私そんなに肌が弱い方じゃなくて。今までこんなに手がカサカサになったことないんです。」

「うん。でもね、ちょっと考えてみてください。」
と、赤ちゃんが生まれてからの、ご自身の生活を振り返ってもらいます。

お母さんデビューが、手荒れデビュー、ってひとも結構多い

  • おむつ替えの後に手を洗う
  • お風呂で赤ちゃんの身体を洗う

これだけでも、それまでの生活よりも余計に洗剤を付けて手を洗っていることになります。

また、おむつ替えの時に使うお尻ふきには、汚れがスルッと落ちるように界面活性剤も入っているので、素手で触ると手の油っ気も取られてしまいます。

洗濯ものひとつとっても、赤ちゃんの分が加わって量は増えているし、あれもこれもこぼすわ漏らすわで、いきなり洗濯機に突っ込むのも躊躇われるくらいハードに汚してくれることも珍しくありません。

なので、どうしてもちょちょっと手洗いしないわけにいかなかったり。

食器だって、洗いものの量は増えて、しかもちょこちょこ出るから、ためておくよりはパッと洗わざるをえない。回数も多いから、いちいちゴム手袋をするのも面倒くさい。

ほらね。

身一つの時と比べて、あなたの手、どれだけ洗剤にさらされてるんやっちゅーねん

って話ですよ。

そんな、毎日頑張るママさんに送るアドバイスをいくつか。

その1 食器洗い、風呂掃除、洗濯にはゴム手袋

食器洗い用、風呂掃除用、衣類用など「皮膚を洗う目的ではない洗剤」の洗浄力の強さはハンパありません。

人間の皮膚の繊細なバリアなんてイチコロです。

その『ひと手間』を惜しまず、ぜひ手袋をしていただきたい、と思います。

その2 ハンドソープはマイルドなものを

「赤ちゃんのお世話をするからには、バイキンなんてもってのほか!」

とばかりに、抗菌、薬用といった表示のあるものを選んでいるママさんも少なくないのではないでしょうか?

いえいえ!赤ちゃんには、ほどほどに世の中の色々なバイキンに接する機会が、丈夫な免疫システムを作るうえで大切なのです。だから、そんなに心配しなくて大丈夫!

ただでさえ手を洗う回数の増えているママさんなのですから、ハンドソープは泡切れの良い、洗浄力もむしろ弱めのものがおススメです。

私が自分の産後から、好んで使っているのは、純石鹸で、泡で出てくるタイプのハンドソープです。

医者が、特定の商品を目の敵にするのは控えるべきとは思いますが、うちのクリニックを受診した患者さんには

ビ○レ、〇ューズ、キ〇イ〇レイの3つのうちどれかを使っていないか確認し、ビンゴならば、できるだけ変更を促すようにしています。

とにかく臨床の現場の実感として、この3商品は、CMの影響か、使用率が大変高い。

病院に来るくらい調子が悪いのならば、ぜひ変更をご検討いただきたいと思います。

その3 ワセリンちょい塗りいかがでしょう?

復活する間もなく頻繁に洗剤や水にさらされる手の皮膚。

こまめに保湿したほうが良い、とは知っていても

「クリームをつけてすぐの手で赤ちゃんに触ってもいいのかしら?」
と、何となくためらってしまう。

そう心配するママさんも少なくありません。そんなときにおススメなのが

ワセリンです。

 


ワセリンは、口に入れても安全な100%ミネラルオイル。赤ちゃんのお肌についても何の問題もありません。

もっとも、ハンドクリームのように界面活性剤は入っておらず、付けてすぐサラッと馴染む使用感ではありません。

なので、使うときには「うっすら」を「こまめに」が基本です。

↓使い方のコツはこちらの記事を↓
「ワセリンワックスがけで、指を守る|もものマークのほけんしつ」

でもって、「うっすら」「こまめに」を実現しやすいように作ったのが
↓こちら『もものマークのポケットワセリン』
http://teshima-hifu-keisei.com/blog/pocket-petrolatum/

ちなみに、私は育児休暇中

右のポッケにゃワセリンチューブ
左のポッケにゃガーゼハンカチ

で、手を洗ったらぬりぬり
ちょっとかさつきが気になったらぬりぬり

そのたびにハンカチでキュッキュしておりました。

もともと私の肌が丈夫な方なのは確かですが、それでも気を抜くとカサカサしてましたから、返す返すもワセリン様様でした。

ちなみに、ママさんだけでなく、新米パパさんも、こういった手荒れで受診することもあります。

ご本人が困っているのは十分存じ上げていてもなお

「パパさんも一生懸命赤ちゃんのお世話をしているんだなあ」

と、どこかほほえましい気持ちになってしまうオバちゃん先生。

手荒れは決して歓迎すべき事態ではないけれど、こんなところにも、パパとママが一緒に子育てをする時代が確かに感じられて、嬉しいなあと思います。

頑張る手を守りつつ、冬を乗り切ってください。新米ママさん&パパさん。