寒い日が続いております。

冬の皮膚科の風物詩と言えば『乾燥肌』。

顔、手、体、脛….
場所は違えど、皆様カサカサお肌に悩んで皮膚科の門をくぐります。

乾燥肌で、何はさておきトライしていただきたいのは、こちら

ワキマタアシだけ洗っとこ

そして「うっすら、こまめに」が基本のワセリン塗り塗り。

もものマークのポケットワセリン

ところが、保湿しようにもなかなか「こまめに」とはいかない
でも、冬場にやたらと乾燥する

そんな場所が、体にはあります。
それは「かかと」

冬にかかとがかさつく理由

足の裏(足底)は、体の重さを支える場所。なので、皮膚の構造自体がほかの部位とはかなり異なっています。

特筆すべきは、その角質層の厚さ。
足底の皮膚は、他の部位と比べると、12~20倍も角質層が厚いのです。そして、強い荷重が加わると、皮膚を守るべく、角質層はさらに分厚くなります。

さらに、てのひらと足底には皮脂腺が存在しません。このため、実はとても乾燥しやすい部分でもあります。

そして、冬と言えば「冷え」

冷えているということは、血の巡りが悪いということ。血液が十分に供給されなければ、十分な栄養も供給されず、栄養不足になった皮膚は表面から乾燥が進みます。

「角質層の厚さ」や「皮脂腺がない」という条件は一年通して変わらないはず。にもかかわらず、冬場にかかとのかさつきでお悩みのかたは、冬場に圧倒的に多いこと、そして、かさかさかかとの患者さんには、男性よりも女性のほうが多いことから、「冷え」は大きな要素だと考えられます。

外からあたためる

真冬でも、薄手のストッキングにパンプス、というスタイルで毎日生活していては「どうぞご自由に冷えてください」と言っているようなもの。身体も悲鳴を上げてしまいます。

「ここぞ」というときのお洒落を除き、日常では保温性の高いタイツや靴下を履きましょう。腰や足首周りなど、太い血管の走っているところをしっかり守るのが断然おすすめです。

温めるといえば、靴下用の携帯カイロなどの即効性は魅力的ですね。ただし、注意すべき点もあります。それは、汗が多くなること
汗は、乾くときに皮膚面の熱を奪います。このため、汗ばんだまま放置すると、かえって足の冷えにつながります。靴下が汗で湿っていないか注意して、こまめな交換を意識してください。

汗対策つながりで言えば、5本指ソックスがおすすめ。指と指の間は汗で湿りやすく、汗冷えしやすい場所なのですが、5本指ソックスならば汗を吸収し、冷えにくくしてくれます。

慣れないうちは、なんとなく薄気味悪い感触の5本指ソックスですが、使ってみると意外な心地よさに手放せなくなりますよ。

カサカサ対策に靴下がおすすめなもう一つの理由

薄手のストッキングやタイツよりも、しっかりと靴下を履くのをお勧めするもう一つの理由は、クッション性が良いことです。

足底の皮膚の角質層が、荷重に耐えうるような厚い構造になっているのは上で説明した通り。つまり、加わる力が和らげば、角質層もぶ厚くなる必要がありません。

『ストッキング+靴底のうすいヒールパンプス』という組み合わせよりは『厚めの靴下+しっかりした靴底のコンフォートシューズ』のほうが、かかとの皮膚に加わる圧も確実に分散されます。

角質層が必要以上に厚いよりは、ほどほどの厚みにとどまっているほうが、栄養も行き渡りやすくなり、結果的にカサカサしづらくなるのです。

カサカサかかとにも、ワセリン

こちらの写真をご覧ください。

何を隠そう、私のかかとです。

4日前、ふろ上がりのこのカサカサした自分のかかとを見てふと思い立ち、左側だけ朝晩ワセリンを塗ってみることにしました。

で、塗った直後のかかと。ツヤツヤしています。

顔や、髪、手などをワセリンで保湿するときには「うっすら」が基本ですが、かかとの場合は「たっぷりめ」が良いようです。

たっぷりめに乗せたワセリンを、ひび割れにやさしくすりこむようになじませ、すぐに靴下を履いて保護するのがわたしのケア方法。
これを、朝晩続けました。左側だけ。

で、4日目の今日の昼。
外出から帰って来て靴下を脱いだ時の状態がこちら↓

ワセリンを塗った直後にツヤツヤしているのは当たり前なので、あえて昼間のタイミングで撮影しました。

左が、朝晩ワセリンを塗って過ごした側。
右が、何にも塗らずに過ごした側。

割とはっきり差が出ているのではないでしょうか。

基本的に自分のスキンケアについてはズボラ一辺倒な私ですが、これだけ見た目に違いがあり、また靴下やタイツを履くときにかかとのカサカサに引っかかる、あのイヤな感じがないのは嬉しい限り。

実験は今日でおしまいにして、今晩からは両方のかかとにワセリンを塗ることにします(笑)

世の中、かかとのカサカサに効果的、と謳って販売されているクリームは多々ありますが、おうちにワセリンがあるのであれば、まずは試しに使ってみてはいかがでしょう?

意外とお手軽に、カサカサかかととサヨナラできるかもしれませんよ。