今年のスギ花粉は、昨年の6割飛散するという予想だそうです。6割、とは言え、昨年はここ数年で最悪の飛散量だったそうなので、単純に喜んでもいられません。

↓2019年 春の花粉飛散予測 by 日本気象協会

https://tenki.jp/pollen/expectation/

以前は春の訪れをウキウキした気分で迎えられたのに、花粉症持ちになったとたん「またあの季節か….」と憂鬱になる。春を楽しめない、本当に残念な病、『花粉症』。

2月になると「このところ顔がカサカサヒリヒリする。」「目の周りが赤くなってかゆい。」「鼻の下がヒリヒリする。」といった、花粉の飛散に由来する症状でお悩みの患者さんが増えます。

クリニックを受診した患者さんには、もちろん症状を緩和するための薬を処方いたしますが、実はこんな時にもワセリンがお役立ちだってこと、ご存知ですか?

鼻や目だけではない、花粉のアレルギー症状

花粉症と言えば、鼻がムズムズ、くしゃみ連発、鼻水タラリ、目がカユカユ….といった症状が頭に浮かびますが、実は、皮膚自体がアレルギー反応を起こすことも珍しくありません。

顔や首などの露出部が全体的にひどく乾燥し、普段使っている化粧水がしみてしまうようなときは、皮膚が花粉に対してアレルギー症状を起こし、バリア機能が著しく損なわれている可能性が高いです。

乾燥を改善させようとして、しみる化粧水や乳液を我慢して使ってしまうのは逆効果。かえって炎症を悪化させてしまいます。

そんなときに役立つのがワセリン。ほんの少し指先にとって、両掌で薄く延ばします。それを、顔に押し当てるようになじませる。これを繰り返します。

「手にたくさん取って、べたべたするくらい顔の上で塗り延ばす」は、多すぎです。「塗り延ばす」という時点で摩擦が加わりますし、ベタベタテカテカでは日常生活にも困ります。ほんの少し、を丁度いい按配まで繰り返すのが使い方のポイントです。

「目がかゆーい!鼻が出るー!」からの、肌荒れにも

目のかゆみが我慢できず、ごしごし手でこすってしまってから、目の周りの皮膚が荒れてくることや、鼻水が滝のように出て、繰り返し鼻をかんでいたら、鼻の下が赤くなってヒリヒリするといった部分的な肌トラブルも、花粉症にはつきもの。

こちらは、花粉症による、結膜炎や鼻炎の症状に合併した肌トラブルです。
こんな時にもワセリンが大活躍。

顔全体に塗るときと同様、べったり塗る必要はありません。指先にほんの少し白色ワセリンを取って、指同士をこすりよせるように指の腹に延ばし、その指で、瞼や鼻下を優しく押さえるようにしながら、薄くワセリンを乗せてあげます。

目がかゆくなった時には、ごしごししてしまう前に、このワセリン保護をしてあげるのがgood!乾燥とかゆみが和らぎます。

鼻炎なら「鼻をかんだら鼻下ワセリン」と決めておくと、荒れかたもだいぶマシになるはずです。

さらに進んだワセリンの使い方は、綿棒で鼻の穴にワセリンバリア

ネットには「ワセリンを鼻の穴に塗ることで、花粉がワセリンにトラップされて、吸入される量が減るため、花粉症の症状が緩和される。」と書いてありますが、顕微鏡写真などが掲載されているのを見た試しはないので『ホントか?』と疑う気持ちが無いでもありません。
ただ、花粉症人間の一人としての感想を申し上げますと、これ、カネも手間も大したことない割に、結構効果的な気がします。
朝、出かける前に綿棒にワセリンを取り、それを鼻の穴に突っ込んで塗り塗りするのみ。

綿棒を鼻に突っ込むサマは、たしかに麗しいとは言い難いビジュアルですが、人前でやるわけでもなし、鼻くそほじるよりはずっと衛生的だし、やって損はありません。

進んでしまった症状は、飲み薬や塗り薬にご登場願う必要もありますが、皆が皆、すぐに医者に行けるわけでも行きたいわけでもないでしょう。

そんな時、低コストでお役立ちなワセリン。花粉症の季節が到来する前に、一家に一本、準備しておきませんか?

もものマークのポケットワセリン