開院以来、キズやヤケドの治療には一貫して湿潤治療を実践している私ですが、クリニックを受診してくださる患者さんからは「自分でやってみたけど、かえって悪くなっちゃって(´;ω;`)」という声を聴くことが少なくありません。
トラブった(とご本人が思っていらっしゃる)内容を伺うと
「ああ、それはこういう理由でそうなったんでしょうね。」
と、私や当院の看護スタッフであれば、そこに至るストーリーについて解説可能なことがほとんどで、そんなときの対処法も説明して、患者さんにも多くの場合安心していただけます。
だから、我々の湿潤治療に向ける信頼感が揺らぐこともありません。
しかしそれは、現在に至るまで湿潤治療にまつわる様々なトラブルに接してきた経験と、そこから得たたくさんの知識が積みあがっているからこその信頼感なのです。
知らないから、怖い
だから、一般の方々が、湿潤治療にチャレンジしたもののうまくいかなかったときに
「ダメじゃん、湿潤治療」
と思うのも、まあ仕方がないと言えば仕方がないと思います。
そして、湿潤治療をしたことが無い、もしくは経験の浅い医者(を含む医療従事者)がトラブった患者さんに対応せざるを得ない状況になった場合
「うっわ、超めんどくせ湿潤治療。今までの方法で全然いいじゃん。」
と思うのも、仕方ないと言えないことも無い。『守りに入る』べく、前例踏襲に走りたくなるのも無理はない。
ただ、それって甚だしくもったいないとも思います。
なぜならそのトラブルには理由があることを、知っているから。
だから、私が湿潤治療の講座でお話するときには、できるだけ【湿潤治療のお困りポイント】についても話すようにしています。
知っていれば、怖くなくなるから。
このブログでも、湿潤治療の「困った!」について、綴っていこうと思います。