セカンドピアスこそ、素材は吟味して

街のアクセサリーショップに並ぶピアスは、実にデザインが豊富。

「このピアス可愛い、あ、あれも可愛い。うーん、どれもこれもつけてみたい。でも、自分で買うならやっぱり予算ってものもある。

そうだ、それならこの『ピアスどれでも3組1000円』のお店で買えば、色々選べるよね!」

と、考えたそこのお嬢さん、ちょっと待って!!

安いものには、それなりの理由があります。

使われている素材も、ニッケル・コバルト・クロムなど、「それなりに」安い金属の合金のことが多いのです。

「え、でもこれ『18金ポスト』って書いてあるよ。金なら安全なんじゃない?」

はい、確かに18金はそこそこアレルギーを起こしにくい金属です。

でも、ポスト(軸)が18金でも、ヘッド(耳たぶに出る部分)は合金ってことが、安いピアスでは少なくないのです。

しつこく強調しますが、ファーストピアスを外したてのピアス穴は、まだ限りなく「傷」に近い状態です。

ピアスのトンネルの壁も、バリア機能はへなちょこのうすうす。ちょっとした刺激で傷ついて、汁が出て来たりするのも全然珍しくありません。

「汁」=「水分」のある状態に触れていると、ピアスの金属が微量に溶け出します。

もともと金属アレルギーのあるひとなら、すぐにかぶれの症状が起こるし、金属アレルギーの無いひとでも、イオン化した金属が傷から取り込まれ、金属アレルギー成立のきっかけを作ってしまいます。

金属アレルギーが成立してしまうと、アレルゲンとなる金属を含むもの、例えばアクセサリー、時計、ベルトのバックルなどが肌に触れたところに、かぶれを生じるようになります。

金属だけでなく、革製品への接触でも、かぶれることがあります。これは「クロム」という金属を使って革をなめす方法があるからです。

また、金属アレルギーが厄介なのは、食べ物や医薬品にも金属が含まれているという事実。

有名どころでは『チョコレート』。ニッケル・コバルトなど、合金によく使われる金属が多く含まれています。

食べ物による接触皮膚炎は、口に入れたものが腸管で吸収され、汗となって排出されるときに湿疹として発症します。
このため、冬場は余り気にならないけれど、汗の多い夏場になると体のあちこちに「あせも」のような形で湿疹が出るというケースもあるのです。

「たかがピアス、せいぜい耳のトラブルくらいでしょ?」と侮ることなかれ。耳だけじゃ、済まないかもしれないのです。

いったん金属アレルギーになると、鬱陶しいことこの上ありません。チョコレートを食べるたびに湿疹が‥‥なんて、嫌じゃないですか?

セカンドピアスにおすすめの素材

それでは、セカンドピアスにはどんな素材を選べばいいのか。

やはり、安心なのは金属アレルギーを起こさないといわれている『純チタン』製。ポスト(軸)だけでなく、耳たぶに触れるヘッド裏面も、純チタンコーティングされているものがよりおすすめです。

他には、プラスチックなど、非金属製の素材。ただし、非金属製の素材は加工が甘いと表面の滑らかさに欠けるため、金属に比べてピアスの出し入れで摩擦がかかりやすくなります。

これは、傷を付けるリスク要因の一つとなるので、軸の先端や軸を指で触ってざらつきやチクチク感が無いかチェックしましょう。

指先に違和感を覚えなくても、金属に比べ滑りが悪いことが多いのが非金属製素材。そんな時にも役に立つのが、やっぱり『ワセリン』。

軸に少しワセリンを馴染ませてから入れると、格段にスルッと入りやすくなります。
『もものマークのポケットワセリン』

セカンドピアスはもちろんですが、ピアス穴がある程度安定してからも、ふとした拍子に調子が悪くなるのはよくあること。

そんなときのために、安全安心な素材のピアスを用意しておいて、損は無いのではないでしょうか。

安物買いで、せっかくのピアス穴がおじゃんにならないように、ならなくてもいいアレルギーに、なってしまわないように。

からだの一部である「ピアス穴」を、だいじに、かわいがって育ててあげてください。

その先には、きっと、お洒落で楽しいピアスライフが待っているはずです。

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