暦の上では冬のはずなのに、季節外れの温かさが続いているかと思ったら、急転直下の寒さに震える東京。

あっという間にかじかみだす手足に、冷え性属性の皆様は
「また今年もこの時季がやってきた…..」と軽く鬱が入っているに違いありません。なぜなら私もその一人だから。

せっかくお風呂で温まっても、冷たい布団に入ると気分はしょんぼり。

そんな時、魅力的なのが、そう

湯たんぽ

わかる、その気持ち、冷え性の私には痛いほどわかる。

ただし、この湯たんぽ、使い方には

本当に

本当に

本当に気を付けていただきたいのです。

いちばんの理由は「低温やけどが怖いから」。

冬の風物詩「低温やけど」

冬になると必ず、てしまクリニックには「湯たんぽでやけどした」 という患者さんが少なからず受診されます。

その多くが

  • かなり高温の湯を湯たんぽに入れ
  • 湯たんぽを布団に入れたまま眠り
  • 寝ている間に位置がずれて湯たんぽに足が当たっていた

というパターンです。

「タオルでくるんでいたので大丈夫だと思って…」

と、しょんぼりされる患者さんがほとんどなのですが、触って明らかに熱ければすぐに気付くので、肌に触れるのは短時間で済みます。

低温やけどの怖さは、本人が熱さを自覚しない間に、組織に熱が加わり続け、思った以上に深いところまで皮膚が傷んでしまうことにあります。

治るのにも非常に時間がかかるし、痕も、残念ながらそうそう綺麗にはなりません。

写真は、20代女性の湯たんぽによる低温やけど。
(↓PCの場合、カーソルを合わせるとモザイクが取れます。スマホならクリックで。痛そうな写真が苦手な方はモザイクのままスルーでお願いします。)

湿潤治療でしっかり治療して、順調に経過した状態でも、1か月半後が次の写真です。
(↓上の写真よりも生々しい写真です。苦手な方は断固モザイクのままスルーでお願いします。)

治るのに3か月かかり、治って5か月後の写真がこちらです。

このかたは、肌質も色白で、かなりきれいに治っている部類。

やはり、消えたとは言い難い跡が、残ってしまいます。

湯たんぽは、寝る直前に布団から出して!

そんな風に、治るのにも治ってからも苦労する湯たんぽでの低温やけど。

後悔先に立たずにならないように、湯たんぽを使うときには、冷たい布団を温めることにとどめ

「 自分が寝るときには、布団の外に出す」

これを守ってくださいね。

また、湯たんぽのほかにも、深い低温やけどになりやすいのが、

酔っ払って帰って温風ヒーターの前で寝込んだというパターン。

これ結構多いです。特に一人暮らしの女性(そういえばこのパターンの男性患者さんには会ったことがありません。冷え症が少ないから?)お気を付けください。

消費者庁からも注意喚起が

湯たんぽによるやけどの報告は、世間的にも後を絶たないらしく、昨年は消費者庁からもこんなニュースリリースがありました。ぜひご一読ください。

『湯たんぽを安全に正しく使いましょう!(2017年12月6日ニュースリリース)』

繰り返しになりますが、深い低温やけどの跡は、残念ながら、なかなか綺麗になりません。

湿潤治療を行い、植皮などの手術は受けなくて済んだとしても、それなりの跡が残ってしまいます。

たかが湯たんぽ、されど湯たんぽ。侮るなかれ。

この記事を読んだ方は、自分の身を守るべく、気を付けてください。

そして、冷え性で湯たんぽ愛用者のお友達がいたら、ぜひ、この情報をシェアしてください。

どうか今年の冬『湯たんぽは、寝るときお布団から出すんだよね』が、当たり前になりますように。