世の中の授乳中のママさんを悩ませるもののひとつ
それは
乳首切れ
いきなり大フォントで「乳首」言ってすみません。
でも今回の記事では避けて通れないワードなのです。
ええ、わたしにも覚えがありますとも。
あれチョー痛いんですよ。泣きますよ。
赤子の吸引力って半端ない。
お前はダイソンかと。
で、切れるわけです、乳首が。
それをまた吸われたらもう。
授乳のたびに白目モノです。
それでも
可愛いわが子を餓えさせぬため
耐えがたきを耐え
忍び難きを忍び
母親は授乳するわけです。
当時のわたし自身は
幸いこまめなワセリン保護程度で
なんとか乗り切れました。
が、今週受診された患者さんはそうでなく
すでにワセリンによるこまめな保護も
ラップで傷を乾かさない工夫も
いろいろ試されたうえでの来院でした。
この傷に対し、わたしが思いついて
患者さんに勧めた方法がかなりうまくいったので
今回はそのご紹介。
が、場所が場所だけに
写真はもちろん
イラストにもしにくい。
で、何かいいものは無いかと探して見つけたのがこれ液体を詰め替えるときに使う漏斗(100均で購入)
ええやん!それっぽいやん!!
てなわけで今回はこの漏斗ちゃんに活躍していただきます。
くだんの患者さんは、こんな風に矢印
乳首が根元近くでガッツリ切れていました
(写真で、赤くマーキングした部分)そこで登場、毎度おなじみハイドロコロイド。ただ、↓こんな風に小さく貼ると
赤ちゃんが吸い込んでしまわないか心配ですなので、こんな形に切りました。↓上のように切ったハイドロコロイドで傷を覆うと、こんな感じ↓
母乳の出る上の部分は開放しているので
授乳の障害にはなりません。
乳房に貼る部分を大きくしてあるので
赤ちゃんが飲み込んでしまう心配もありません。
傷の部分はしっかり保護されているので
安静が保たれ、痛みもずっと楽になり
湿潤治療の状態になるため治癒も促進されました。
この患者さん曰く、2日ほどで痛みが激減し
その後貼っている部分に少しかゆみが生じたため剥がしてみたものの
授乳時に傷が痛むことは無かったそうです。
「劇的に効きました!ありがとうございました!!」
と、大変喜んでいただけました。
ただ、ハイドロコロイドをこんな風に使って治療した患者さんは
わたしにとってはこれが一人目の方です。
今回は大変うまくいったものの
これまでの臨床経験で、なんとなく起こりやすそうだなと予想される合併症も
もちろんあります。
多くの方にとって、より安全な使い方を
自信をもってご紹介できるようなるには
もうちょっと同じような患者さんでの治療経験を重ねたいところです。
が、乳首切れで
今
この時
泣いているママさんにとって
何がしかのお役に立てればと
見切り発車的に記事にした次第。
少しでも、痛みが楽になりますように。
負けるな、おっぱいママさんたち!!
応援しています。